営業マンの皆さんであれば、誰しもが経験するであろう「スランプ」。
- 頑張っているのに成果がでない・・
- 今まで上手くいっていた方法が通用しなくなった・・
こんな悩みの渦中にいる人も、きっと多いと思います。
コロナ禍を迎え、顧客に対する提供価値も変化してきました。
今回は、営業がうまくいかないときの特徴と、営業力を高めるポイントを解説していきます。
うまくいかない営業の特徴

成功には、失敗が付き物であるとよく言われるように、初めからずっと成果を出し続けられる営業マンは少ないのではないでしょうか。
お客様ありきの営業ですので、景気の波・お客様の事業状況によって、皆さんの営業成績も影響を受けるかもしれませんが、外部環境の要因だけではない可能性もあります。
現在、なかなか成績が伸び悩んでいたり、お客様との関係性構築面で苦戦している人など、「なんかうまくいかないな」と感じる方は、ぜひ参考にしてみてください。
①顧客の人物パターンを理解できていない
まず、向き合っているお客様の人物タイプを理解できているでしょうか。
お客様に合わせた商談を進めていかないと、良い提案も、良い案件も、失注する可能性が高まってしまいます。お客様も人間。良い企画書を書いたり、論理的に提案内容を考えうるだけでなく、今一度目の前のお客様のタイプに合わせて、コミュニケーション方法も変えてみるのも良いかもしれません。
お客様の人物タイプを分類する軸としては「自分の主張を大事にするか、協調性を大事にするか」という観点と「理論的か、感情的か」という観点の組み合わせから考えることができます。
この2つの軸から「社交型」「協調型」「分析型」「主導型」の4つのタイプに分類することができます。この4つのタイプの特徴と、商談の進め方のポイントをご説明いたします。
社交型タイプ
社交型のお客様は、自分の意見や主張が強いタイプです。
性格は明るくて楽天的であり、話をするのが好きなタイプ。
自分の主張を大事にする×感情的な軸に当てはまるタイプです。
仕事上において関係者と友好関係を望みますが、マルチタスクが発生すると混乱しがちです。他人からの評価がモチベーションにつながりやすく、自己承認欲求が高め。
自分の意見をはっきり持っているため、物事を即決しやすいですが、理論よりも感情で行動します。
【商談の進め方のポイント】
社交型タイプの人は他者から褒められたり、評価してもえらえることにやりがいを感じるため、会話の中でも肯定することが大切です。
また、行動力があり、PDCAを素早く回すタイプのため、これならできる、と思えたり、イメージが沸いたりすると、即行動へ移すことができる方が多いです。
なので、営業のアプローチ方法としても、いかに会話の中で成功がイメージしやすい会話を心がけることが大切。提案に際しても、手数多く、複数パターンで提案するのではなく、渾身の1つに絞り実現したいことをしっかりイメージを沸いていただくことが重要です。
前段が長かったり、最後まで何を伝えたいのかわかりにくい提案は避けた方がよいでしょう。
協調型タイプ
協調型のお客様はその場の雰囲気を大事にし、自分の意見よりも空気を読んで発言することが多い傾向にあります。聞き手にまわることが多く、相手に合わせることを得意としています。
協調性を大事にする×感情的な軸に当てはまるタイプです。
特徴としては、自分だけで意思決定を行うのではなく、他のメンバーも巻き込みながら事を進めることに重きを置く半面、突発的な出来事や、不安定な状況や同時に多くの決定事項が発生すると不安になりやすい方が多いです。
【商談の進め方のポイント】
協調型タイプの人は、関係性の調和をベースとしたコミュニケーションを好みます。
過去の実績や類似事案の成功事例などを示すと、安心感を覚えていただく方が多いので、近しい事例などを提案内容や、商品説明の中に入れるとよいでしょう。
営業のアプローチ方法としても、周囲との調和、人間関係を重要視するため、お客様の行動が関係者の役に立つと感じてもらうことが大事です。
お客様の上席の方や後輩の方なども商談に同席いただき、その場で賛同的な意見をいただくことが大切です。根拠が薄い唯一無二、特別な、という限定的な提案よりはできるだけ避けた方がよいでしょう。
分析型タイプ
分析型のお客様は、論理的に物事を考えるが、自身の主張が比較的低いタイプの方が多い傾向にあります。
自ら話をするよりも聞き手に回り、話を聞きながら自分の中で情報整理を行います。
思考に必要な正確な情報を収集することを好み、納得できるまで考えるタイプです。
どんなに優れた提案であっても、自社、自分にとって理論的に成果が出るのか、正しいのかを判断軸として持ち合わす方が多いので、判断材料を多く提示することが求められます。
お客様が求めるであろう必要情報を事前に用意し、商談の際に論理的に説明することがよいでしょう。
【商談の進め方のポイント】
分析型タイプの方は、勘や経験で商談ストーリーを作るのではなく、事実に基づいたデータ等を活用し、理論的に話を組み立てるアプローチをとります。
プラスの材料だけでなく、何がリスクになるのか、マイナスとなる要因も合わせて説明を行い、メリットとデメリットを両方提示することが大切です。
お客様自身で判断することを好むので、1つの提案だけというよりは、メリット・デメリットに応じて、複数提案を用意すると事が進みやすい傾向があります。
また、とりあえず進めてみましょう、という行動を促すコミュニケーションはできるだけ避けた方がよいでしょう。
主導型タイプ
主導型のタイプは、論理的に物事を考え、自身の主張をはっきり行う方が多い傾向にあります。
自分の主張を大事にする×論理的の軸に当てはまるタイプです。
根拠のない直観のみで行動することはせず、メリット・デメリットを明確にしたうえで、判断を行う傾向にあります。そのうえで、自分の意見を発信し、仕事上においては効率を重視する方が多いです。
守りというよりも責めの姿勢を取り、案件や業務が滞ることを避けることが多いでしょう。
主導型のお客様は自分で物事を決め、周囲に発信し、効率的に業務を進めることを得意としているため、組織においてリーダー業務を任される方が多いでしょう。
【商談の進め方のポイント】
主張型タイプの方は、論理的に提案内容を組み立てながら、結論を明確に示すことが重要です。
また、攻めの提案も好まれる傾向にあるので、革新的なアイデアなども持ち込むとよいでしょう。自分で決めたいタイプのお客様のため、意思決定をお客様に促し、意思決定において足りない情報があれば素早く提示することも大切です。
また、積極的に情報を自ら取得する傾向も強いため、営業担当者が話し続けたり知識を全面に一方的に提示されることは避けた方がよいでしょう。
②顧客とラポールができていない
ラポールとはフランス語で「橋を架ける」という意味です。
お客様も人間、関係性を構築するうえで、親近感を感じていただいたり、人となりを理解することで距離を短縮することも大切です。
ラポールなしに、ビジネスライクに終始してしまい、お客様と円滑にコミュニケーションがとりづらい状態にあると、本音を引き出すことやその方に刺さる提案をしにくくなってしまいます。
継続的にお付き合いをしていくうえでも、円滑なコミュニケーションや心理的安全を高めるうえでも、ラポールを積極的に取り入れていきましょう。
簡単にラポールの手法に関して、いくつか説明いたします。
ミラーリング
ミラーリングとは、相手のしぐさや姿勢を真似るテクニックです。
気があう人とは無意識的に動作が似るように、親近感を感じてもらうために行う手法の一つです。
ペーシング
ペーシングとは、相手の話し方を真似るテクニックです。
ミラーリングは相手のしぐさを真似しますが、ペーシングは話し方を真似します。
ゆっくり話す方なら自分もゆっくりと話してみる。
相手が早口なら早口で話す。
相手の肩や胸の動きを観察して、リズムを合わせてみましょう。
キャリブレーション
キャリブレーションとは、相手の心理状態を言葉以外のサインで掴むテクニックです。サインとしては姿勢、呼吸、表情、声のトーンなどがあります。つまり、表情をしっかり読んで相手の気持ちを汲み取る手法です。
バックトラッキング
バックトラッキングとは、オウム返しのテクニックです。相手の言ったことを自分も繰り返し言うことで、話を受け止めていることを感じてもらいます。特に相手が話を聞いてほしい受容傾向が強い方には、より効果的です。
③自社商材のことを詳しくない
大前提、自社の商品やサービスの内容を深く理解することが大切です。
意外と、要点のみや概要のみを理解して、お客様に紹介をし、根拠やデータを深く質問された際に「持ち帰ります・・」と引き上げたことがある経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
顧客の人物タイプの部分でも説明しましたが、論理的に捉えるタイプの方は判断材料を多く取得することを好むため、積極的に質問される方も多いです。
「自分がお客様だったら」という視点を大切にし、どんな部分が気になるか、質問されるか等、イメージを想定し、深くその商材について理解しましょう。
④競合と比較した際のセールスポイントを理解できていない
ビジネス上において、完全に唯一無二の商品やサービスはごくわずかです。
売れる商品は他社が色を変えて類似商品を作り出し、業界内でシェアを取り合っています。
あたなの取り扱っている商品にも必ず同業他社がいるはずです。そして、同業他社も同じお客様に対して営業をかけていたり、お客様自身で競合サービスについて情報収集していることもあるでしょう。
お客様にとって、自社のサービスは何が売りなのか・競合と何がちがうのか・競合では得られないメリットは何なのかを明確に示すことが大切です。
⑤顧客のニーズを引き出す上の仮説を立てられていない
商談を行う上で、ヒアリングに徹してしまうということがよくあると思います。事前に用意した質問事項をすべて一つ一つ丁寧に聞くことができたのに、なぜか手ごたえがない・・提案が刺さらなかった・・等の経験がある方も多いのではないでしょうか。
質問事項を用意してヒアリングをすることも大切ですが、その質問を通じて何を引き出したいのか、ということを明確にしたうえで、ヒアリングすることが大切です。
お客様の事業環境や状況から好まれる提案は何かを仮説立てし、刺さる提案を組み立てるうえでの材料を引き出す。
しっかりゴールイメージをもって、話を聞きだすことを心がけてみましょう。
⑥求められていることのプラスαを提供できていない
営業として、お客様から求められていることだけに応えるというのは、あまり印象に残らない営業でしょう。
お客様の期待値を超える行動をとり続けることで、信頼残高が高まり、「何かあったら相談しよう」というパートナーになることができます。
信頼関係を構築できたほうが継続的な営業もしやすくなりますし、リピートも増えるでしょう。
痒い所に手が届く営業は、どの業種でも好まれます。
もう一段階先の営業を目指す上で、今一度求められていることのみ応えていないか、他にやれることはないか、と自問自答してみてください。
営業力を高めるポイント

お客様によって、営業手法は無限にあります。一つの営業パターンを行い続けるのではなく、お客様のことを良く知り、お客様一人一人に応じて営業スタイルを変えてみると、多くのお客様から求められる営業になることができるでしょう。
ぜひ、一度自身の営業手法に関して振り返ってみてください。
