営業チームを率いているマネージャーは、過去にプレイヤーを経験している方が非常に多いです。また、プレイヤーを経験した中でも高い成果を残してきた人であることがほとんどです。

ただ、スポーツの世界では「名選手が名監督になるとは限らない」という言葉を良く聞きます。

それはビジネスの畑でも同様のことが言える言葉になります。

営業部門に当てはめると「トップ営業マンが優れた営業マネージャーになるとは限らない」と変換ができます。特に営業マンは特殊です。エネルギッシュで自分の目標に対して貪欲な人が多い印象を持ちます。そのため、そのような貪欲さが悪い意味で営業マネージャーになった時に現れてしまうことが多く、トップ営業マンだからと言って優秀なマネージャーになれない営業マンが多くいる現実があります。

それでは、どうすれば成果を上げる営業組織を作ることができるのでしょうか。今回は、営業部門のマネジメントに必要な要素について見ていきましょう。

営業チームマネジメント/戦略で必要な4つの要素

営業チームマネジメント/戦略で必要な4つの要素
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営業マン一人ひとりの役割は「個人の目標をきちんと達成すること」です。

営業部門は数字が全て。数字が正義という達成文化で存在意義が問われます。

では営業マネージャーの役割とは何でしょうか。それは「自部門の営業マンが目標を達成し続けるためのサポートをすること」です。営業マネージャーは自部門のチームが最大限のパフォーマンスを発揮できるように、チームをマネジメントしていくことが求められています。

マネジメントタイプで、「リーダーシップ」という言葉はよく聞いたことがあると思います。それに対して「フォロワーシップ」という言葉があるのはご存じでしょうか。

背中を見せてチームを引っ張るライオンのようなリーダーシップとは違い、方向性を示し各営業マンが目標を達成するためにフォローをしてあげるマネジメントのことをフォロワーシップと呼びます。

短期的に成果を上げるだけでよければ、営業マネージャー自身が現場で成果を上げ、プレイングマネージャーとして引っ張ることで組織の目標を達成できるかもしれません。

しかし、個人で作れる数字はたかが知れています。そのような組織では営業マネージャーの負担が大きく長続きしないばかりか、チームとしての目標数値が上がった際にはどうしようも出来なくなってしまいます。

「目標を達成し続ける機能となること」ことが営業マネージャーの役割ですので、継続的な目標達成にはチームマネジメントが必要になります。

それでは、どのようなチームマネジメントを行う必要があるのか、下記で紹介して参ります。

①目標管理

前述した通り、営業マン一人ひとりの役割は「個人の目標をきちんと達成すること」です。

達成する目標を設定し、各営業マンに設定数字の理由を落とし込み納得をしてもらうことができないと、責任を持って個人の営業数字を達成してきません。

そのため、営業チームマネジメントにおける目標管理とは、自部門における売上げや粗利益などの目標を設定し、個々のメンバーの目標に落とし込んでいくことからが重要になります。

この目標管理は、営業チームマネジメントおける最初のプロセスであり、その他の要素のマネジメントにも大きく影響します。例えば、設定した目標数値があまりにも高すぎる場合には、行動計画も実現可能性が低いものになり適切な行動管理ができないだけでなく、メンバーのモチベーションが低下することにもつながってしまいます。

その目標設定と落とし込み、納得してもらった後も、常に進捗を管理することで目標を管理していきましょう。

②行動管理

行動管理はプロセスマネジメントとも言われます。

よく聞くことのあるKPIを定めることで行動(営業マンの営業活動のプロセス)を確認することができます。

成果を出すことが一番に求められますが、成果を出すための過程を言語化できなければ継続した成果創出はできません。運があり、たまたま大型の受注や案件が偏り達成できたとしても、それはラッキーなので長続きしません。

成果を出した時の成功事例として、どのような行動をとった時に達成しているのかを言語化することで管理をしていくことが可能です。

その行動プロセスに伴いKPIを策定し現状の進捗状況との乖離を確認することで、設定した目標に対して届きそうなのか、届かない場合はどのようなアクションを取るべきなのかを早期に軌道修正することができます。

「未達成になることに気が付いた時には時すでに遅し」にならないよう、デイリーとは言わずともウィークリー単位で営業マネージャーは各営業担当のパフォーマンスを確認するべきです。

③案件管理

自部門のメンバーが商談を行い見込みとなった案件を、契約に向けて進めていくためのマネジメントが案件管理です。

各営業マンの案件に対して、確度や進捗状況、次回のアクションなどを確認し、契約に向けて適切に進んでいるかを確認していきます。

ここで重要なのは、受注確度が営業マネージャーと各営業マンの間に乖離を出さないことです。

営業マネージャーは、部門が達成するかどうかを管理表をもとに各営業担当の案件を確認し上層部に報告しています。そのため、営業担当が受注できると思っていても、蓋を開けてみたら(営業マネージャーが内容を確認してみたら)全く受注できる状態じゃないこともしばしばあります。

そのため、進捗状況や事実確認を取りつつ案件確度の確認は必ず取ることが必要です。

メンバーとして高い成果を出してきた営業マネージャーだからこそ気づける視点があると思いますので、これまでの経験を存分に発揮してください。

④モチベーション管理

チームとして成果を出していくためにはモチベーション管理も必要な要素の一つです。定期的にメンバーと1on1等の面談をすることで、一人ひとりが抱えている悩みや課題に対してフォローをしていきましょう。

ただし、モチベーションを管理の際、営業マネージャーの視座(目線)を下げて接することはNGです。基本的には、「モチベーションを保つ=相手を気持ち良くさせる」ことではありません。

特に営業マンのモチベーションは、達成している時に雰囲気が良くなる傾向があるため、営業マネージャーとしては数字を達成させるために、今起きている課題を解決し数字達成ができる状態に導くことが社員のモチベーション向上にもつながります。

そのため、安易なコミュニケーションを取るのではなく、我慢することが非常に重要になります。

1on1などの面談では、各営業担当の状況を確認しつつ営業マネージャーが考える成長してほしいことやキャリアを見せてあげることで、お互いの認識をあわせることが必要になります。

そのため、御用聞きになることは絶対にしてはいけません。

マネジメント・戦略で永劫チームの売上げアップに繋げるためには

マネジメント・戦略で永劫チームの売上げアップに繋げるためには
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営業マネージャーに求められるものは「結果」です。

どんなにマネジメントを頑張っていても、結果が出てなければそのプロセスも評価されることはありません。そのため、プロセスに力を入れている中でも「自部門の営業マンが目標を達成し続けるため機能となっているか」を常に疑うことで、売上という結果が出せるでしょう。

それでは、継続的に目標を達成し続けるためには何が必要なのでしょうか。継続的に業績が向上している営業組織の特長について以下のようにまとめられています。

  • 顧客に提供する価値が明確

①で紹介した適切な案件管理を行うことで実現することができます。個々の案件に対して、顧客が抱えている課題とその課題に対して提供できる価値が何かをメンバーに確認するようにしましょう。場合によっては、自社のサービスが顧客のニーズと全く合わないこともありますので、そのときには引き際を指示することも案件管理においては重要です。

  • 営業活動の標準形が決められ実践されている

②で紹介した行動管理(自社の理想的な営業プロセスを見える化)で実現できます。まさに営業活動の標準形(営業導線)を定めることと同義です。そのうえで、適切なKPIを設定することができれば、売上げアップにつながる行動管理を実現することができるでしょう。

  • 営業担当同士で営業のやり方・知識・スキルに関して相互に学びあう風土がある

④で紹介したモチベーション管理を行うことで学びあう風土を醸成することにつながります。そもそもモチベーションが下がっている状態では、相互に学びあう風土を作ることは難しいため、チーム全体のモチベーション管理は必要不可欠です。またメンバーとの定期的な面談の中で、営業マネージャーからみた各メンバーの強みや成長したポイントを伝えることで、自身が身につけた知識やスキルに気づかせることもできます。

  • 営業活動で得た顧客の声を営業活動の改善に活かしている

こちらも④で紹介したモチベーション管理と関係しています。適切なモチベーション管理によって、学びあう風土が根付いていれば、自ずと顧客の声を組織に共有するようになります。その共有された声を営業マネージャーがしっかりと拾い上げ、営業活動の改善へと活かしてください。

このように営業チームマネジメントを適切に行うことができれば、継続的に売上げアップを実現できるチームへと近づけることができます。それぞれの管理のポイントを押さえ、短期的ではなく継続的に成果を上げることができるチームを作り上げていきましょう。

営業チームマネジメント/戦略まとめ

営業チームマネジメント/戦略まとめ
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いかがでしたでしょうか。

継続的に成果を上げるためには、営業チームマネジメントは極めて重要です。ご紹介した4つの要素のうち一つでも欠けてしまうと、成果を上げることが困難になってしまいます。

これら4つの要素はどれか一つだけ出来ればいいというものではありません。4つの要素を考えてマネジメントを行うことで、継続的に成果を出すチームを作ることができます。自身のマネジメントを振り返り、欠けている要素はないかをぜひ確認してみてください。

特に営業マネージャーが陥りがちなのが「目先の結果」のみに着目してしまい、将来の組織を意識した「育成」が疎かになってしまうことです。育成を行い、将来の組織に目線を向けることは、今の結果を落としてしまうかもしれないという怖さもあると思います。

ただ、それができないと営業マネージャーが疲弊する組織になりかねないので、一度見つめなおしてみてください。