営業部門は、売上の創出を担う部門のため、企業の心臓(エンジン)として例えられることがある重要な部門です。しかし、多くの企業では営業部門が期待される成果を創出できていないことも少なくありません。そのような期待される成果を創出できていない理由には、ある一定の共通課題があります。

この記事では、営業部門で起きやすい共通した課題を取り上げていきます。よくある共通の課題に対して解決方法も提示していますので、営業部門を統括している営業マネージャーの方はぜひ参考にしてください。

営業部門で起きやすい7つの課題と改革のための解決方法

営業部門で起きやすい7つの課題と改革のための解決方法
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ここでは、営業部門で起きやすい共通課題を紹介していきます。自分たちの営業組織に当てはまる課題なのか、という視点でご確認を頂き、お役に立てれば幸いです。

課題①組織的な営業ができていない

組織的な営業ができていないケースは、特にベンチャー企業やスタートアップ・中小企業で散見されます。

本来、アポイントの獲得⇒商談⇒商品の発注⇒納品 などの営業フローは、業務を複数人で分担することで効率化されます。ただし、規模が小さい組織や経験が少ない若手集団であるベンチャー企業やスタートアップは体制が整っていない、または整えることの重要性に気づいていないことがしばしばあります。そのため、営業業務を個人プレーで行っているケースが多くなります。

組織的な営業ができていていない場合、結果的に売上の低下を招くことになってしまいます。1人の営業担当に大きな負荷がかかり個人が処理できる業務量には限界が来てしまうことは、商談数が少なくなったり、連絡の不備が多くなったりと、さまざまな問題が派生してくるでしょう。

また、受注失注を繰り返す中でのナレッジが属人化し、組織で売上を創ることができず、マンパワーによる自転車操業になることは強い営業組織を創り出せない課題になります。

解決策「フィールドセールス、インサイドセールスといった負担分散を行う」

上述した課題の解決には、アポイントを獲得する業務、顧客と商談をする業務、受注後の処理業務というような業務分担が可能です。

そのため、営業部門の中でもチーム分けを行い、それぞれの業務を分担することを推奨します。特に、インサイドセールスチームを設けるなど、組織を分けることで効率化を図ることは近年注目されています。

ただし、組織を分けると組織間連携の齟齬が発生し、かえって効率を落とすこともあるため、業務設計やKPI設計、コミュニケーション設計をしっかり行うことが重要です。

課題②業務の属人化

上記「課題①」でも少し触れましたが、業務が属人化しているケースも課題として多く見られます。これは、営業担当間で業務内容が共有されていないためです。営業マンは数字が正義の部署のため、「自分の営業ナレッジが他者に知られることで自分の営業数字に影響してしまう。。。」というような危機感からナレッジ共有を行わない営業マンが多く存在します。

本来であれば、各営業担当が蓄積しているノウハウやトークスクリプトを組織内で共有して有効活用することが求められます。しかし、業務の属人化が起きている営業部門ではこうした情報が共有されないため、営業成績が個人のスキルに依存してしまいがちです。優秀な営業担当が退職すれば、その営業部門の成績は明確に落ちてしまうでしょう。

解決策「営業ノウハウを共有するメリットを伝える」

業務が属人化している場合に解決策となるのが、営業担当にナレッジ共有を行うメリットを伝えることです。営業実績のある社員が積極的にノウハウを共有するようになれば属人化が回避されるだけでなく、営業部門全体の能力が底上げされます。

前述した通り、業績の良い営業担当は、自身のノウハウを隠し持つことで自分の数字を伸ばしたいと考えています。その気持ちはキャリア形成やインセンティブ(歩合)といった考えから来ています。

そのため、営業ノウハウを部門に共有することで、その営業担当にどのようなメリットがあるのかを伝えてあげましょう。例えば、管理職になるにあたり(キャリアをあげるにあたり)、部下を育成する力は自分が持つ営業ノウハウを共有し数字を全体で創出するマネジメントが必要なことを伝えてあげることが有効です。

いつまでもマンパワーでは数字やキャリアに頭打ちが来ることを伝えてあげることは双方にメリットのある動機になります。ただし、そのような思考の営業マンなのかどうかは見定めることを注意してください。

課題③成約率の伸び悩み

営業成績が未達成になる原因として、商談数の創出が足りていないことか、商談の成約率が低いかという、母数と割合の問題になることが多いです。

そのため、成約率が低い状況が続くことは、営業部門の存在意義に関わる重要な問題が発生していると言えます。営業担当個人の成約率はそのスキルや経験に依存します。しかし、営業部門全体の成約率が低い場合は、営業マネージャーが問題を把握して解決に導く必要があります。

解決策「数字で原因を把握する」

モチベーションやマインドに起因することもありますが、基本的に問題発見は数字で行いましょう。商談数の創出ができていないのはなぜか。テレアポの数が達成していた時の基準と比べてどうなのか、テレアポのアポ率が達成していた時の基準と比べてどうなのか、全て良かった時と悪かった時を比較し数字に違和感を感じた際に具体的な解決策を考えていくことを推奨します。

数字に違和感を感じた後は、商品や価格が悪いのか、営業マンのスキルの問題か、アプローチ先が間違っているのか等、全てを疑い見直しましょう。

課題④社員のモチベーションが上がらない

社員のモチベーション管理は、営業部門にとって困難な課題です。モチベーションが低い状態で営業活動に臨めば結果的に営業成果にも悪影響が生じます。

解決策「安易なコミュニケーションは取らず、数字が付く仕組み作りに注力する」

モチベーションを管理することで営業マネージャーの視座(目線)を下げて接することはNGです。基本的には、「モチベーションを保つ=相手を気持ち良くさせる」ことではありません。

特に営業マンのモチベーションは、達成している時に雰囲気が良くなる傾向があるため、営業マネージャーとしては数字を達成させるために、今起きている課題を解決し数字達成ができる状態に導くことが社員のモチベーション向上にもつながります。

そのため、安易なコミュニケーションを取るのではなく、我慢することが非常に重要になります。

課題⑤若手の人材育成ができていない

日々営業活動をしている中で、人材育成まで行わなければいけないという営業マネージャーに関しては、人材育成の優先度を下げていることもあります。

営業部門の将来を担う若手を育成できていないケースは、中長期的に営業マネージャーがプレイングから離れられない状態を自ら作ってしまうことになりかねません。

そうなれば、いつまで経っても組織は成長せず、営業マネージャーが疲弊してしまう組織になっていきます。

解決策「人材教育の仕組み化、あとは信頼と我慢」

特にベンチャー企業やスタートアップの会社は、育成する側も若く、マネジメント経験に乏しいケースが大半です。そのため、どうしても「見て覚えろ」という教育になりがちです。そうすると、若手が伸びるかどうかは、仕事ぶりを見せる側の先輩社員と、それを見る側の若手社員の意欲や理解力、相性によってだいぶばらつきがでます。

そのため、教育は「誰でも同じように売れる仕組み」を創ることでばらつきを回避することができます。

例えば、営業は商談準備で8割以上が決まると言われています。商談準備のフォーマットを作成し、先輩社員がどのような考えで商談に臨んでいるのかをインプットしアウトプットができれば、先輩社員の営業フローをトレースしていることになります。

あとは現場での細かなテクニックがあれば売れる営業マンへ成長するでしょう。ここでの注意点としては「教えすぎないこと」です。自分で気づくことや現場での雰囲気を場数を持って慣れていくため、過保護のような関わり方は禁物です。

このような仕組みと考え方であれば、大きく教育工数もかからず育成ができるでしょう。

課題⑥社員の提案力が弱い

この内容は、「課題③」と「課題⑥」で紹介させて頂いた内容が当てはまります。

社員の提案力が低い理由は、営業マネージャーに原因があります。誰でも売れる考え方(トップ営業マンの商談への臨み方)を、パフォーマンスが低い営業マンにナレッジ共有ができていない可能性が高いからです。

解決策「提案力が弱い理由の把握」

まず、提案力が弱いと考える定義(理由)を明確にしてください。

商談率が低い、成約率が低い、顧客単価が値引きされて低くなっている等。

必ず数字で提案力が弱い理由を把握しましょう。

その中で、なぜそうなっているのかを現場の声と照らし合わせることが重要です。

その現場の状態と、実際に数字で出ている事実情報をもとに解決策を見つけ出すことを推奨します。

提案力が弱い理由は各企業、各組織によってまちまちになるため、万能となる「こうした方が良い」は提示が難しく、営業マネージャーが把握して解決策を提示し実行する他ありません。

営業組織が抱える問題と改革における解決方法まとめ

営業組織が抱える問題と改革における解決方法まとめ
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いかがでしたでしょうか。

多くの営業部門が今回ご紹介した課題に直面していると思います。仕組みや仕掛けは、まず必ず事実を数字で確認しつつ実行していかないと的外れなソリューションになります。

現在営業部門を統括しているマネージャーも、プレイヤー時代に商談率や数字創出に苦労した経験は誰しもがあるはずです。

どのようなときにそのような苦労があったのかという経験をもとに、今の営業組織の課題解決を行うことが、営業組織の課題を最短で解決していけるでしょう。