営業組織は「会社の心臓」と呼ばれます。

営業は、お客様に対して自社サービスを紹介しご契約を頂くことで売上が発生します。その売上で従業員の給与や新しいサービスへの投資が行われる等、会社組織の血液となる資金を作る非常に重要な組織と言えるからです。

その重要な営業組織を強力なものとするにはどうしたら良いのか。今回は、強い営業組織を作るために必要な構築ノウハウを紹介していきます。

この記事は、個人でHighパフォーマーを出すプレイヤー向けではなく、営業組織を統括するマネージャー向けの紹介となりますので、そのような壁に当たっている方は是非ご一読ください。

強い営業組織とは?

著作者:tirachardz/出典:Freepik

皆さんが思い描く「強い営業組織」とはどのようなものでしょうか。

「目標数字を達成する部署」という言葉が思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか。もちろん、正しい回答です。ただ、組織の人数によって、この回答の実現が困難になります。

営業組織が3名以下の場合、優秀な人材が2名いればもう1名の目標設定数字分は賄うことができるでしょう。この場合、組織内の優秀な人材割合は約66%です。

ただし、営業組織が100人規模だとします。このご時世、100人規模のうち、トップセールスと呼ばれる人材を囲い込み続けることは困難です。せいぜい2割が優秀なセールスマンだとした場合、その2割で100人規模の営業数字を達成させなければなりません。

そのため、「強い営業組織」とは、「目標数字を達成する部署」という結論で正解ではありますが、その工程となる「仕組み」が整っている組織なのか、その仕組みにより「継続的」に成果を出せる「安定的な組織なのか」という観点も非常に重要になります。

そのような継続的・安定的という組織状態は、優秀ではない営業マンにも数字を賄わせることができる組織であり、「目標数字を達成する部署」に大きく近づくことになります。

営業組織の体制を整えるポイント6つ

営業組織の体制を整えるポイント6つ
PhotoMIX Companyによる写真: https://www.pexels.com/ja-jp/photo/95916/

それでは、前述した継続的・安定的な成果を創出する組織はどのように構築していけば良いのでしょうか。こちらの章では6つのポイントに絞って紹介していきます。

①営業組織の目標を明確化する

まずは、目標達成するために、目標の策定と明確化を行う必要があります。「あたりまえじゃん…」と思う方もいらっしゃると思いますが、ここはできているようでできていない方が多くいらっしゃいます。

  • 売上目標

売上目標は、基本的には会社上層部から伝えられる目標でしょう。ただし、これを鵜呑みにして動いているようであれば部下もついてきません。なぜその売上目標なのかという点を明確にし、自分だけが明確になるのではなく、部下にその目標の意味まで伝えられるように落とし込みましょう。

  • KGI/KPI

既にご存じの方が多くいらっしゃると思うので深くお伝えはしません。

KGI(Key Goal Indicator):重要目標達成指標(売上目標に対する受注件数等)

KPI(Key Performance Indicator):重要業績評価指標(受注件数に応じた訪問数やコール数等)

上記を定める意味については、売上目標という漠然とした目標に対して、実際に日々の業務で近づけているのか?を明確にすることが必要なためです。特に「軌道修正」を早めに行えるようにアラートを検知できることで、気づいたら手遅れとなっていて未達成ということを回避することができます。

  • OKR

OKRとは、目標(Objectives)と成果指標(Key Results)を組み合わせた造語です。

KGIやKPIとの違いに関しては、売上等の定量的な数値指標に対し、OKRの最終目標は定性的なものです。また、そのような定量的か定性的かの違いに限らず、KGIやKPIが100%の達成水準で設定することに対し、OKRは60~70%を達成水準としています。

そのため、KPIに比べてより大胆な目標設定が可能になり、社員一人ひとりが思い切ってチャレンジできる環境をつくり出せます。

正直、KGI/KPI、OKRという目標管理方法については、企業文化によって採用は異なるため、どちらの方が正しいのかではなく、自分たちに合った目標管理方法を採用することを推奨します。

②営業組織の人員配置を見直す

目標管理の後は、実際に稼働するメンバーにどう動いてもらうかを検討していきます。優秀な人材がいても、その人材の長所を見極めて適切な配置を行えなければ意味がありません。それでは、人員配置に必要なことを説明していきます。

  • 各戦術に対して必要な人員数の明確化

どの業務にどれくらいの人数が必要なのかを確認します。この業務には〇人必要だ、こちらの業務には〇人必要だ等の、戦術に対しての配置人数を明確化することで、過不足なく戦術を進めていくことができます。

  • メンバーの能力や長所の把握

上記で策定した配置人数に対し、誰をどこに配置するべきかを考えます。その際、メンバーの長所短所、一緒に業務を行うメンバーとの相性などを加味して配置を検討します。この配置は非常に重要となり、悪い方向に行けばハレーションを起こしたり、優秀な人材のパフォーマンスを引き下げてしまいかねません。ただし、良い方向に進む場合、優秀な人材1名で創出するパフォーマンスよりも大きい成果となるでしょう。

③営業マネージャーの役割を明確化する

目標設定、人材配置が決定したら、自身のポジションである営業マネージャーの役割を再度理解することが必要です。

営業マネージャーは、メンバーの育成を行い、組織全体で目標達成が行える「強い組織」を作り目標達成を遂行することが求められます。

勘違いをしてほしくないこととして、営業マネージャーがプレイングから離れず、プレイングマネージャーとしてメンバーの育成を放棄することです。この体制でも達成していればOKではなく、「継続的・安定的」な達成を目指すにあたり、メンバーの育成と育成までの仕組み化をおろそかにしてはいけません。

また、自身の右腕となるメンバーを育成することにより、管理できる人数が増え、組織の拡大と予算を大きく持つ重要な組織として社内に認められながら円滑に目標達成ができるようになります。

⑤営業組織の評価制度を見直す

評価制度も非常に重要なものです。営業マネージャーたる者、感情でメンバーを評価してはいけません。必ずハレーションが起き、不平等という声から組織として必ず悪い方向に向かいます。

営業数字を達成しているかという数字評価がしやすいのが営業部ですが、役職者になるにあたり、前述している通りプレイング能力だけでキャリアを作ることは難しくなってきます。

利己的な考えだけでなく、全社目線で物事を考えられ、信頼を寄せられる人物とはどんな人物なのかという点を言語化することで、よりメンバーを「選抜」することができます。選抜をすることで、あの時にこいつを選ばなければよかったという後悔がなくなるでしょう。

全員が納得する評価制度はないかもしれませんが、会社が求める上層部になる人間像を明確化することによって、メンバー自身もそれを達成すればキャリアが上がるという意識を持ち、みんなで同じ矢印に向けて進んでいけるでしょう。

⑥営業メンバーと1on1を行う

組織の人数が多い場合は、管理職などで行うことを推奨します。自身の役職が上がれば上がるほど、枝となる下のメンバーの行動が見えづらくなります。数字判断だけでなく、メンバーの状態を気にかけることによって、上記で取り決めた配置や評価制度の見直し等、軌道修正を行いつつ組織の整備を行っていくことができます。

また、1on1の時には、Will(どうなりたいか)、Can(今できることはなにか)、Must(やらなければいけないことはなにか)を明確にさせ、それをもとに話を進めていくことが重要です。

このWillCanMustには必ず期間を設け、1年後、3年後、5年後等、将来から逆算させることで今何をしなければいけないのかを提示していきます。そして、そのメンバーが出してきた将来からの逆算をもとに、会社組織でメンバーにやってもらいたいことをリンクさせることが、メンバーの「存在意義」が明確になり更なるヤル気を見出してくれます。

営業組織の体制を整えるときの注意点

営業組織の体制を整えるときの注意点
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今まで、営業組織の形成に対しての必要事項を提示してきました。その中で、注意点となることもあるため紹介をしていきます。

また、この紹介では営業マネージャーとして、マネジメントとしての注意点と、コスト感覚における注意点を紹介していきます。

メンバーに振り回されない

今までの紹介だと、メンバーが働きやすいようにという捉え方をしている方もいるかもしれません。重要なのは、「成果を出すため」に行っている内容だということを忘れず、「成果を出すためにメンバーをどう扱うか」という考えを持たないと、御用聞きになるマネージャーが出てきてしまいます。

メンバーのこうしたいは積極的に聞き入れるべきですが、全社目線から見て必要のないエスカレーションだった場合は、理由を持って拒否することが必要です。

「理由を持って」ということが重要となり、感情的に、または感情なく否定することは逆効果です。

そのため、御用聞きにもなってはいけないし、興味がないという観点で接してメンバーからの信頼を得られず孤立してしまうこともNGです。

まずは営業マネージャー自身、軸を持ってメンバーと接することで振り回されることはなくなるでしょう。

人員配置を改めた後は、定期的に効果測定を行う

適切な場所に適切な人数を設定し、適切な場所に適切な人員を配置して終わりではなく、定期的に効果測定を行いましょう。組織体制の整備を行いつつ営業活動を同時進行で進めている中で、計画的に、どのタイミングで見直しを行うのかを最初にスケジューリングしておくことが重要です。

目標とそこに対しての戦略は自分たちの道しるべになり、その道しるべを定期的に見直すことによって軌道修正することが重要です。

特に目標設定と戦略策定は「自分たちが進むべき道を創るためのもの」という認識を持ち、実行の段階では「軌道修正をしつつ造る」ことを意識すると、継続的・安定的な達成組織を作ることができるでしょう。

 ITツールを活用する

ITツールの活用は適宜検討しましょう。組織が拡大していくことによって、管理工数が膨大になります。顧客数、従業員数等、今までアナログで手が回っていたものが回らなくなってくるタイミングが出てきます。

特にSFA(セールスフォースオートメーション)等、手動で管理しているときの工数を加味して、ツールを導入することによる費用対効果を想定して上申しましょう。

また、上申時には費用対効果のエスカレーションだけだと甘く、そのツールを活用することにより売上の増加、または違う観点でのメリットを提示することで更に承認を得られやすくなるため実践してみてください。

強い営業組織の体制づくりまとめ

いかがでしたでしょうか。

「強い営業組織」は目標達成を行い、会社の心臓として資金という血を巡らせられる部署です。

ただし、強い営業組織は目標達成を「継続的・安定的」に行える組織であり、そのような組織を作るために様々な整備するポイントがあります。

チームで創出できる数字は、個人で創出する数字よりも何倍も大きいです。営業マネージャーとして、チームで創出する数字をどう作るのかを考えて管さい。

目の前の営業数字を落とすのは怖いのは重々理解できますが、中長期に「強い組織」になっている方が必ず評価されます。営業組織の課題を見つめなおし、一度足元から固める動きを取っていくことを推奨します。