組織長は、現在管理されている営業組織について常に強い組織を追求するべきです。この記事を読んでくれている方は業務に忙殺されているマネージャーという立場の方になるかと思います。
営業部門のマネージャーは、組織の目標に対して生産性を向上しつつ達成をできる組織を作ろうと日々奮闘をされている方だと思います。
重々承知の理解だと思いますが、一人で解決できる目標やタスクは限られています。
では、組織として解決や目標達成に対して業務執行ができる組織とはどのような組織か。
迷われている全ての営業組織管理者・営業マネージャーに向けて参考になればと思い発信していきます。
営業組織の”あるべき姿”とは?

組織は単に個人が集まった集団ではありません。
属人化された個の強さで売上を創出すると思われがちな営業組織でも、組織として向かうべき指針(ベクトル)が明確になっていることで、集団から組織に変わります。
そのためには、メンバーが組織の目指すべき目標の共通認識を持つこと、つまり営業目標の達成に向かって互いに協力し、活発にコミュニケーションをとっている状態が理想の営業組織です。
その理想の状態こそが、営業組織の”あるべき姿”といえます。
営業組織を改革すべき理由

具体的な「営業組織のあるべき姿」を提示する前に、その「営業組織のあるべき姿」を目指す意味をお伝えできればと思います。
「営業組織のあるべき姿」と聞くと改革の理由は内部的要因やメリットが強いと思われると思いますが、外的要因・市場の変化に対応するためにも重要です。
人手不足・働き方改革
日本は少子高齢化社会から「超高齢社会」に突入しています。
超高齢社会とは、65歳以上の人口の割合が全人口の21%を占めている社会を指します。国全体の高齢化率は、先進国の方が高く、発展途上国の方が低くなる傾向があると言われています。
高齢化率が高い国としては、スウェーデン、ドイツ、フランス、イギリス、アメリカ合衆国などが挙げられますが、この国よりも日本の高齢化率は高いといわれています。
現在の日本は、世界に先駆け、超高齢社会に突入していることになります。
2025年には国民の4人に1人が75歳以上の高齢者になり、少ない労働人口で多くの高齢者を支えることになります。また、それにともなって労働人口も年々減少の一途をたどっているため、労働力確保はすべての企業において最重要課題となります。
現状でも「人材不足」というワードが飛び交う中、今後更にその問題は顕著になります。したがって、営業組織においては、営業マンの個力に頼る属人的な組織では頭打ちが来てしまい、人材数でカバーをするということができなくなります。
そのため、生産性を上げるための情報やナレッジの共有、効率的な営業活動を行うことで組織で成果を最大化させることが求められています。
市場競争の激化
市場環境は常に変化し、特にテクノロジーに関する業界の変化スピードはめまぐるしく変化しています。
近年は新型コロナウイルスといった外的要因もあり、先を見通すことが難しく、状況の把握と今後の予想を常にアップデートする能力が求められています。
企業は競争に対して「差別化」で勝ち抜こうとしますが、まったくの無競争を生めたとしても必ず競合が台頭し、競争は発生してきます。
その競争に打ち勝つためには、単純な差別化などの戦略だけでは勝てません。
他社には簡単に真似できない、「強い営業組織」を持つことで競争が起こったとしても殴り勝てる状態を作っておくことが本当に競争に勝てる組織になります。
営業組織の改革に必要な取り組み

前述では、「営業組織のあるべき姿」を目指す理由を述べてきました。
それでは、その「営業組織のあるべき姿」とするための方法を具体的に提示してきます。
①社員の意識改革
営業組織の改革を行うためには、まず営業組織内の意識改革から変えていく必要があります。
意識改革とは「なぜ組織で営業活動を行っていくのか」という理由をしっかり説明し、協力してもらうことを刺します。
注意点としては、「意識を変える」と初回に伝えただけでその後に何も浸透されない状況である場合は効果が期待できません。
営業の意識改革にフォーカスするのではなく、行動を変える仕組みづくりが重要になってきます。
1:評価制度・ルールを決める
2:リーダー自身が言い続ける
まず、今まで個人評価を受けてきた営業マンに対して、「組織評価に変える」といってもピンとこないでしょう。また、正直営業マンは利己的な人間が多いため、自身に利益のない組織変革に協力的になってくれることは珍しいでしょう。
そのため、まずは「評価制度・ルールを決める」ことで、営業マンそれぞれが組織目線で動いたときにどのようなメリットが生まれるのかという点を制度で見せてあげることが重要です。
また、そのルールは金銭的なメリットだけでなく、キャリア面でのメリットを見せてあげる制度があると尚良いです。
正直な話、人間はみんな利益がないと動きません。ただ、それを逆手に取り、利益があるように見せる(もちろん利益はある)ことで、組織変革を進めていくことが可能です。
そのような制度やルールを作って伝えた後、組織改革についての目的とメリット、今後どうしてほしいかなどは「リーダー自身が言い続ける」必要があります。
人間は忘れる生き物です。短い言葉で言い続ける。頭の中に刷り込ませることで、「意識」から変革をさせることができるようになります。
②営業活動の見える化
今まで説明してきたことは「意識」を変えることでした。しかし、この後は実際の営業組織として必要な専門的なポイントになります。
営業活動を共有管理し、プロセスに改善できる点がないかチェックすること(営業活動を見える化すること)も営業組織を改革する際には大切なポイントです。
今までの営業活動は各営業担当の個力とナレッジに属人しており、案件の進捗や担当者、リード管理などが営業部全体で可視化されていないことが多くありました。
そのため、営業活動がブラックボックス化されることでトップ営業マンのノウハウが浸透せず、一定の営業マンでしか成果が上げられないという「個人戦」になってしまいます。
組織として安定的な成果をあげるためには、強い個人が数人という強さでなく、強い個人が数十人いる組織を作り成果をあげることの理解を得ることが必要です。
それができれば、高い生産性を出すことができ、組織として大きな成果を達成させることができるようになります。
③営業ナレッジの共有
先ほど「営業活動の見える化」と前述しましたが、営業組織を改革するためには、営業ナレッジを共有し組織全体で営業スキルの向上を図ることも重要です。
営業マンの数に応じて、組織の商談数は倍掛けで増えます。その情報を共有することで、失注要因や受注要因、最新情報等の情報も営業マンの数に応じて増えます。
そのようなのナレッジを営業部内全体で共有し、営業部全体で対応策を検討し解決策を導き出すことができれば、営業部門全体のスキルアップにつながり、売上目標の達成に近づくことができるでしょう。
また、このような営業ナレッジの共有は、トップ営業マンに依存しない強い営業組織をつくるためには非常に重要です。営業マン単位のレベルを高い基準で均一化させることで、安定的な強い組織を作り上げることができるからです。
④優秀なリーダーの選任
強い営業組織を作るためには、優秀なリーダーが必要不可欠です。まずは営業組織を統括している営業マン―ジャーが優秀なリーダーとして成長する必要があります。
「人に変わってほしいときは、まずは自分が変わる」
この言葉を胸に、本気で組織を良くすることを背中で見せ続けることと言葉で言い続けてください。
その中で、自分の右腕となるNo2を選任してください。営業の意識改革を実現するためには、ロールモデルとなる人材を選任することで、明確な目標指針を示す必要があります。
優秀なNo2が前向きに活動し、次々に成約を勝ちとる姿を目の当たりにすることで、周囲の営業マンは「No2のような動きを取れば良い」と道に迷うことなく突き進むことができ、ポジティブな影響を与えることが可能です。
また、自身の行動や商談内容と比較することで、課題や問題点に気付き行動変容を促しやすい点も大きなメリットだといえるでしょう。
単純に「意識を変えろ」と言い続けても営業組織の意識改革はなかなか起こりません。あるべき姿を明確に示し、目標や評価制度を可視化しメリットを可視化することで初めて、どのように行動するべきかが明確になり意識改革へとつながるのです。
⑤営業とマーケティングの連携
営業組織を改革するためには、営業部門以外の部門間連携の強化も必要です。
特に、マーケティング部門との連携は重要なポイントです。前述した通り、テクノロジー(デジタル)系の市場は変化が激しく、市場ニーズに臨機応変に対応するためには、継続的なマーケティング活動が必須になります。
営業活動とマネジメント業務に忙殺されている営業マネージャーがマーケティングに多くの時間を割くことは困難です。
しかし、いつまでも地上戦・肉弾戦(テレアポや飛び込み等)のようなスタイルの商談を繰り返していると、成約率が徐々に下がるでしょう。
市場や競合の状況を常にウォッチし、情報をアップデートすることで攻めのマーケティングを実施していくことが可能です。また、前述した通り、その市場や競合の状況は、各営業担当から吸い上げることができる情報です。
営業活動の見える化を行うことで、どの市場に対してのマーケティングが有効なのか、どのような見せ方を行うことが有効なのかという点を事前に準備することで、高いマーケティング力を維持することができるでしょう。
そのような情報をマーケティング部門に連携し、どのような顧客にどのような価値を提供するべきなのか、企業内のベクトルを一致させておかねばなりません。
まとめ:営業組織の最適化で生産性を上げよう

いかがでしたでしょうか。
営業組織を変革させるためにはやることがたくさんあるかと思います。
ただし、やることは簡単です。
- 「意識を変える」
- 「意識を変えるためのきっかけ(制度・ルール)を作る」
- 「制度・ルールを徹底させて言い続ける」
一から組織を変えるとなると、早くても半年~1年はかかると思います。ただし、1年で風土が変わらなければリーダーに原因があることがほとんどです。
リーダーの姿勢が中途半端であったり、無意識に途中であきらめている等、本気度が垣間見えないと部下の営業マンが付いてくるはずもありません。
自分が本気で変える意識と、営業メンバーが「うまくいきそう」という気持ちが持てる動機付けをしていってください。
